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両親と私

楽しみにしていた一人沖縄旅行ですが、全財産を入れていた財布を落としてしまうというハプニングにあい、本土に帰ることすら覚束ないという事態に陥りました。 私も背に腹は変えられず、やむなく十年近く連絡を取り合わなかった両親に電話しました。 私はかつて上京の夢を捨てられず、地元の大学を中退して実家を飛び出しました。 東京で自分の夢を叶えたら親に連絡しようと決めていましたが、そう上手くはいかず、今では会社勤めをしています。 無断で実家をでた私は、今さらどんな面を下げて両親と話せばいいだろう。そんなことを考えながら電話したところ、両親はずっと私のことを心配してくれていたことがわかりました。 両親に「体は大丈夫か?」とか「ちゃんと食べていけてるのか?」のような質問攻めにあう内に私は次第に目頭が熱くなり、いつものように話すことが出来ませんでした。 両親の手続きにより無事本土に戻ることができ、久しぶりに実家に帰省することになりました。 実家に帰り両親の顔を見ると、自ずと頭を下げていました。 親父は一度私の頬を殴りましたが、昔幾度となく振るわれた鉄拳は今や見る影もなく、か細く皺の増えた拳となっていました。 そして次には、そんな弱々しい腕で私を抱きしめてくれました。 今まで失っていた親子の時間を埋められるよう、これから親孝行していこうと思います。 災い転じて福となす。私にとってこの沖縄旅行はまさにそれでした。親子の絆を取り戻してくれた沖縄に今でも感謝しています。


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